大手8社が束になっても純利益額で韓国サムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)1社にかなわず、慢性的な収益力の低さが指摘されている日本の電機産業。多数の企業が同じ事業分野に参入し、国内市場を中心に過当競争していることが原因の一つに挙げられていたが、雇用流動性の低さなど日本特有の事情もあり、合従連衡の動きは遅々として進まなかった。
ドイツ証券などの電機担当アナリスト出身で、現在はM&A仲介などを手掛ける産業創成アドバイザリー(東京都中央区)代表取締役の佐藤文昭氏はロイターのインタビューで、国内の電機大手は「世界の同業他社との差が広がっているだけではなく、自動車、機械、素材など国内の製造業と比べても利益率で差がついている」と指摘し、業界関係者の意識改革の必要性を訴えた。
この1年余りの動きでは、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)による三洋電機(6764.T: 株価, ニュース, レポート)とパナソニック電工(6991.T: 株価, ニュース, レポート)の完全子会社化(昨年7月末発表)や、今年1月末に合意されたNEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)と中国レノボグループ(聯想集団)(0992.HK: 株価, 企業情報, レポート)とのパソコン分野での戦略提携が目立つ。
今月7日には日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)が、ハードディスクドライブ子会社を米ウエスタンデジタル(WD)WDC.Mに約43億ドルで売却するという大きなニュースが飛び込んできた。日立は、中小型液晶パネル事業では台湾の鴻海精密工業(2317.TW: 株価, 企業情報, レポート)との合弁化も視野に提携交渉に入るなど、価格変動が激しくリスクの高い事業分野から距離を置き、社会インフラ分野に注力する姿勢を鮮明にしている。今後、各社が得意分野に集中し、不得手な事業から手を引くかどうかが注目される。
2010年以降に発表された大手電機半導体10社(連結子会社による案件含む)が関与した主な再編や合従連衡の動きは以下の通り(時期は発表時点)。経営事業統合や出資、合弁事業化など資本移動を伴う案件が中心だが、事業撤退や工場売却、外部生産委託など固定資産の軽減につながる事例も加えている。
<2010年>
2月三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)、パイオニア(6773.T: 株価, ニュース, レポート)の第三者割当増資約25億円引受け
3月ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、米子会社が中南米での有料放送合弁の一部持ち分を米タイム
